Values

私が「地球のために何かをしたい」と行動し始めたのは18歳の頃。

当時は何もできることがなく、落ちているゴミを拾うことから始めた。

ゴミを拾うことで、

1歩を踏み出す勇気、同じ志を持つ仲間、素敵な大人たちとの出会いなど数え切れないほどの目に見えないモノを拾うことができた。そしてそれは、今でも拾い集め続けている。


貧困地域を支援するためにカンボジアに訪れた時のこと。

「明日生きられるかどうか」すらの保証が無い人たちは、毎日その一瞬一瞬を生き、とても輝いていた。

その姿を見た私は、生きるってなんだろう?豊かってなんだろう?日本に産まれた理由ってなんだろう?

そんな事を深く考えながらの滞在になった。

私たち日本人は、“支援しに”来たつもりでいた。

しかし「“してあげた”ことよりも、“受け取った”ものの方がはるかに大きい」と一緒に行った日本人皆が言った。

帰国する日が迫った時、ある女の子から言われた言葉で私の考え方が変わった。


「お姉ちゃんになって」

その瞬間、私の中で支援する側とされる側という境界線が全く消えた。


目の前の女の子の可能性をもっと広げたい、そのために私にできることって・・・と考え始めた。

支援する側、される側という関係性そのものを変えたい、そのためには先進国である日本が変わらなきゃ。そう強く感じながら帰国。

どうすれば「楽しみながら笑顔が溢れる世界にできるのか」と悩みながら辿り着いたのは食という大きなテーマだった。


大量に食材を輸入しながらも、毎日食料廃棄をしている日本。

地産地消や、土壌環境に優しい農法で、農薬等に頼らずに作られた農産物を選ぶ人が増えたら、地球環境やアンフェアな経済は少しずつ変わってくるんじゃないか?

22歳の頃、この思いを強く持ち、カンボジアでの経験が大きな原動力となり起業した。


持続可能な農法や製法で作られた野菜や調味料は心と身体に「美味しい」。

「美味しいから食べてたら世界がちょっとずつ良くなってた。」という素敵な構図が生まれる。

今日、何を食べるか?何を選択するか?で未来はちょっとずつ変えていける。

そんな想いから、2010年にオーガニック居酒屋 粋ラボラトリーがスタートした。

食材や、生産者と触れ合う中で「いのち」そのものを見つめる瞬間が多くある。

いのちと向き合う彼らの姿は、そして力強い芯と豊かさで溢れ、その眼差しは母のように温かい。

私はそういったいのちの温かさや豊かさ、モノの選び方、働き方などの新しい価値を模索し続けながら、体現したい。


食に取り組み始めてから10年が経った今、大きくは2つの理由があると再認識した。


1つ目は持続可能な地球環境

(土壌汚染・海洋汚染・生物多様性など)

2つ目は食べ物で自分の身体(精神・肉体)が出来ているということ。


たくさんの選択肢がある世の中に生まれた私たちは、世界を変える可能性をたくさん持っている。

元々精神性が高いと言われている日本人の意識が更に変われば、世界は一瞬にして変わるはず。

日常に、よりよい社会にして行くためのヒントと方法が落ちている。

Keywords

Green(グリーン)であること。

私がモットーにする考え方のひとつ。

社会的に公平であること、倫理的(エシカル)であること、環境に配慮していること、社会に良い影響をもたらすこと。というような概念を一括りにした意味で使っている。

発酵

微生物の働きである発酵の世界にどうしても惹かれてやまない。

瞬時に変化する化学反応も好きだけれど、私はじっくり時間をかけ変化させていく発酵の世界が大好きだ。

物質そのものを変化させる姿や、副産物として何かが生まれ出る姿。日本酒が醸される工程を見ていてもそう思う。

人との出会いや文章、価値観と出会った時、それを自分の中で発酵させて生まれ出てくる、未だ見ぬ感覚に出逢えた時が喜びを感じる瞬間でもある。

オーガニック

この言葉は大きく分けて2つの意味で使う。

基準としてのオーガニック、生き方やライフスタイルを指すオーガニック。

ありのままの姿を受け入れ、自然に均衡が保たれている姿であり、地球や宇宙の秩序をわきまえて自然に即した生き方。

食をはじめ、あらゆる営みを続けることが可能な仕組み。